陽子はじっと耐え続けるしかなかった。
- 2015/02/27
- 03:58
349 : 名無し調教中。[sage] 2006/03/02(木) 03:56:41 ID:d1ZYakT0
股間の周辺に物凄い異物感がある。体は食器洗い用洗剤のせいで何だかヌメヌメして気持ち悪い。
陽子はもじもじした歩き方で他の生徒の集団に戻った。
「座れ」と武田に言われたが、思わず躊躇した。
このまま座ってしまったら、股の奥までスプレーが食い込んでしまう。
しかしここで逆らってまた苦痛を味わわせられるなんてご免だ。
陽子は一瞬息を吸い込むと、静かにゆっくりと腰を下ろし始めた。
「何やってるの? 早く座りなさいよ。みんなあなたのせいで迷惑してるんだから」
そう言ったのは同級生の継子だった。そして陽子の腕を引っ張って座らせようとした。
そのせいで陽子はバランスを崩し、思い切り尻餅をついてしまった。
一瞬にしてスプレーは奥まで食い込み、陽子は思わず悲鳴を上げた。
「尻餅ぐらいで何大げさな芝居してんのよ」
継子はイライラした様子で陽子の脇腹を思い切りつねった。
陽子は再び「んーー!」と悲鳴を上げた。
「次はスパイクの練習だ。……田村ぁ! お前がみんなの相手をしろ!」
思わず陽子はビクッとした。立ち上がらされ、みんなの前に立たされる。
「俺が見本を見せてやる」
竹田が物凄い勢いでレシーブをする。もちろん受け止めることができるはずもなく、陽子の顔面をボールが直撃した。生徒の間からどっと笑いが起きる。
そのときチャイムが鳴った。
350 : 名無し調教中。[sage] 2006/03/02(木) 03:57:41 ID:d1ZYakT0
「じゃあ田村を除いて10分間の休憩!」
竹田は陽子だけを残して休みを取らせた。なぜこうなるのと陽子は呆然と立ち尽くした。
「お前は体力がないから受け止められねえんだ。体力づくりをしろ」
陽子はランニングを命ぜられた。腰に野球部で使う、タイヤを結び付けられて、休み時間の間中、ずっと校庭をランニングしなければならなかった。
しかも野球部で使うときには自転車のチューブを腰に結びつけるのに、「きたねえ体で野球部の備品に触るんじゃねえよ」と言われて、金属ワイヤーで腰に結び付けられた。走るたびにワイヤーが食い込み、痛くて泣きそうになった。
休み時間の終了近くになってやめるように言われた。
「田村ぁ、お前汗かいて喉が渇いただろ?」
思わず頷く。陽子は頷いたことを後悔した。水場に連れて行かれ、口から水着を出されるとホースを咥えさせられた。
「俺がわざわざ飲ませてやったんだ。一滴でもこぼしてみろ。ただじゃすまねえぞ」
陽子を睨み付けながら竹田は蛇口を開いた。
もしも物凄い勢いで水が出されたのであれば、諦めもついただろう。
しかし何とか努力すれば飲み切れるという微妙な水流だった。陽子はひたすら飲み続けるしかなかった。
「今日はさみーから、スパイクの練習が終わったら体育館で遊んでいいぞ」
竹田の一声で、生徒の間から喜びの声が聞こえる。しかし陽子は歩くだけでタプタプと音を立てる膨れた自分のお腹の方が気になって仕方がなかった。
竹田が小さな円を書き、そこに陽子を立たせた。
「ここからはみ出たら承知しねーぞ」
竹田がドスの効いた声で陽子に言った。
「あの子、休み時間だけであんなにお腹が膨れてるわよ」
「みんなが頑張ってるのに、一人だけつまみ食いしてたんじゃないの?」
「まあ、ほんと最低ね」
クラスメイトはあることないこと悪意の噂を立てていた。
クラスメイトはもちろん陽子に容赦などしなかった。
スパイクは体に当たり何度も倒れそうになった。しかし竹田の目を恐れて何とか踏みとどまった。
腹が重くて素早い身動きは無理だった。空腹感にも襲われ、体が思うように動かなくなる。
思わずしゃがみこんでしまっても、クラスメイトは陽子にスパイクを打ち続けた。
351 : 名無し調教中。[sage] 2006/03/02(木) 03:58:38 ID:d1ZYakT0
体を襲う冷たさで陽子は目を覚ました。気がつくと顔が泥水の水溜りに浸っていた。どうやら水をかけられたようだった。
「いつまで寝てんだよボケが」
竹田の声で起き上がり、周りを見回した。生徒は誰一人としていなかった。校舎の時計を見る。
まだ6時間目の開始から20分しか経っていなかった。
体中の痛みから、どうやら気を失った後もスパイクの標的にされ続けていたようだと分かった。
とりあえず体育館に向かおうとしたところ、竹田に制止された。
「途中で寝たお前は特別メニューだ」
「お前はボールを怖がるから駄目なんだ。ボールになれる特訓をしろ」
陽子は鉄棒に吊るされ、足が宙を浮いた状態で万歳させられた。
そして竹田は体育倉庫から持ってきた、バレー部の特訓用の自動投擲機をセットした。しかも出力は最大だった。
ボンッ!! という何かが爆発したかのような凄い音とともにバレーボールが撃ち出される。
そしてそれは宙吊りの陽子を直撃した。陽子は思わず水を吐きそうになった。
「オラオラ! まだ始まったばっかだぞ」
竹田は容赦なくバレーボールを撃ち出し続ける。陽子は全身の筋肉を緊張させて、ひたすらこの激痛の嵐が止むのを祈り続けた。
「先生、大変です! ぶつかって怪我した子がでてます!」
この嵐を止めたのは、クラスメイトの一声だった。竹田はチッと舌打ちをすると、陽子を放置して体育館の方に向かった。
陽子はホッとため息をついた。しかしかえって何もされないまま吊るされるのは、惨めな思いを強くさせた。
陽子は冷たい風に吹かれながら、紐が解かれるのをひたすら待った。しかし竹田は一向に戻ってこなかった。
「早く帰ってきて……」
一人で忘れ去られる孤独感と空腹と寒さと手の痛さに、陽子はじっと耐え続けるしかなかった。
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