【拘束フェチ小説】日課のきっかけ
- 2016/11/28
- 23:48
957 : 名無しさん@ピンキー[sage] 2010/11/27(土) 22:58:19 ID:+9vs+qtc0
「日課のきっかけ」
日課…どんな人にも毎日習慣としてすることがある。
日記をつけたりやランニングしたりとかこれがそうだと言えるものの他にも、なんとなくパソコンでネットサーフィンをしたり、帰りにコンビニに寄ってお菓子を買うとかも一応日課と呼べるかもしれない。
私にも日課はある。それもあまり人には言えない性質の…がある。
身体にピッチリ貼りつくゴムを着る。
そしてそのままの姿で日常生活を送る。それだけだ。
普通の人だったら、知れば奇妙で滑稽に思うだろう。
正直、私もその一人だったかもしれない。
アレと出会う前までは…。
958 : 名無しさん@ピンキー[sage] 2010/11/27(土) 23:02:34 ID:+9vs+qtc0
「何…コレ」
姉が就職のため実家に帰り、住む者が私しかいなくなった部屋。
面倒臭いと思いつつ姉が好きに使っていいと言われた箪笥を整理していた。
その奥、隠してあるかのようにそれはあった。
私はソレがなんなのか気になり、ソレを垂らしてみる。
しかし、座った状態ではそれは広がりきらなかった。
しかたなく立って拡げてみるとソレはその姿を露わにした。
「ウェットスーツ?」
材質は確かに友達と海に行った時に着たウェットスーツに近く、肌触りが心地いい。
だから最初は、姉さんもダイビングするんだと思った。
けれどもそれだとしたらおかしい。
高いヒールのブーツと、一本ずつ別れた手袋がウェットスーツと一体化している。
しかも縫い目一つなく。
普通ウェットスーツはフルスーツと呼ばれる全身を覆うものでも、手首足首から先は露出する。
それに、ブーツはあるけれどこんなに高いヒールなんてつかない。
そもそもあったら邪魔過ぎる。
「コレ…何?」
スーツの正面をよく見ると胸のカップもあるし、
股のところもパンツのクロッチみたいになっていてアヤしい…。
それを着た姉の姿を想像する。
「もう、わけわかんない!」
私はそれをゴミ袋に投げ入れようとした。
959 : 名無しさん@ピンキー[sage] 2010/11/27(土) 23:05:34 ID:+9vs+qtc0
でもできなかった。
ひょっとしたら私も着れるかもしれないから捨てるのは勿体ないと貧乏根性が根付いていたからだろう。
私と姉の身体のサイズは殆ど同じだ。一時期二人で着まわしていたこともあった。
もしコレが姉のものだったら絶対に私も着れる。
でも、勇気がなかった。こんなボディラインを曝け出すようなイヤらしい服を着るなんて…。
「……」
私はなんとなくそれをハンガーに吊るしてしまった。
もし、この時どこかにしまっていたら目覚めなかったかもしれない。
それからは、服の整理をしていてあまりスーツに気は取られなかった。
しかし、一段落ついた後常にソレがちらちらと視界に入ってきてどうも気になってしまった。
なぜ?私、アレが着たいの?
なんて馬鹿げた考えがチラッとよぎった。
あるいはそうかもしれない。でも…。
結局踏ん切りが付かずその日は悶々としたまま過ぎて行ってしまった。
翌日、学校では散々だった。講義はペンをただ動かすだけ。
友達とはどこか上の空になって心配される上、食事も喉を通らなかった。
その時に頭にあったのはあの変なウェットスーツだった。
部屋にいる限りずっと視界にその存在を訴えかけてくるアレは、私の頭の中にまで侵食してきて思考を鈍らせてくる。
アレを着たらどんな感じなんだろう…。
昨日は拒んでいたのに受け入れつつあるこの心の変わりように自分でも戸惑いを隠せなかった。
社内がヘドロで充満し、生きている死体を運搬する快速電車に揺られ家に帰ると、早速あのスーツが目に映りこんできた。
昨日ハンガーにかけたままだから当たり前ではある。
だが、私には作為的に感じ、ついに頭の中で何かが外れた。
少しだけ…少しだけ着てみよう。
961 : 名無しさん@ピンキー[sage] 2010/11/28(日) 00:05:10 ID:yiGibP3q0
部屋の鍵をかけ適当に荷物を置くと服を脱いでいく。
下着はどうしようかと悩んだが少しだけだし全身くまなく包まれてみたい気持ちから脱いでしまった。
後の事など頭になかった。
ただただ、あのスーツに自分の身体を入れてみたい、閉じ込めてみたいその一心だった。
スーツの背中部分のジッパーを下げる。私を待ちうけているかのような黒い空間に一瞬躊躇しながらも、脚を呑みこませていく。
そのデザインからか少しキツいが、ブーツ部分まで入れると大きさ自体は案の定丁度いいようで、すんなりと爪先まで穿けた。
片足も同じようにしながら、タイツをはくように少しずつ腰まで引き上げ脚のジッパー閉じる。
脚全体に絡み付いて離れなくなるような圧力を感じながら、脚と同様にキツイながらもなんとか手袋部分まで手を差し込む。
手袋のサイズも丁度良くピッチリと指に吸い付いてくる。厚さもそれなりにあるが触覚を完全に奪われることはない。
それでも完全じゃないだけでかなり鈍る。
手袋で鈍くなった手を使ってなんとか片手も差し込み腕のジッパーを閉じる。
一つずつ確実に増えていくしっかりしたゴムのような生地の感触を覚えながら胸をカップに押し込むと、
後は背中のジッパーを元通りにするだけ…するだけだ。
962 : 名無しさん@ピンキー[sage] 2010/11/28(日) 00:14:43 ID:yiGibP3q0
感覚の薄れた手で苦労しながらジッパーを上げる。腹、胸に圧力がどんどん加わっていく。
「ハァ…」
自分でも顔が紅潮しているのがわかる。
息をするのも少し苦しいくらいのキツさで締め付けられていく。
同時に身体中がゴムに汚染されていく。
「はぁ…ん」
自分でもよくわからない何かが高まってくる…。
そう感じている時だった。
うなじまで上げていったジッパーの滑りが突然良くなり、力を入れていたせいかその勢いが止まらずジッパーが外れてしまった。
恍惚の中でドロッとした脳内細胞が一斉に凝固したのがはっきりとわかった。
「えっ?」
そう口から洩れた時には、外れたジッパー金具が摩擦力の無い手袋から離れてしまった後だった。
968 : 日課のきっかけ[sage] 2010/11/28(日) 09:45:13 ID:yiGibP3q0
「ちょっと、待っ」
焦って完全にジッパーの閉まった背中を手で開けようとしたが、相当強く噛みあっているようで全く開かない。
スーツの口を拡げようとうなじを締めるゴムを引っ張っても指を二三本入れられるかどうか位しか隙間ができない。
落ち着いて、何やってるの。外れた金具の在り処が先…。
「金具は!?」
辺りを見渡すが、そこにあるのは整理しきれていないモノの山、山、山…。
昨日のまま散らかっているせいでまったく見当たらない…。
どうしよう…脱げなくなった…。
「ウソ…でしょ…」
ただでさえ、黒くて小さい金具なのにこんなゴチャゴチャした部屋の中から見つけるなんてすぐには無理だ。
なんで外れたのかと思って脚や腕のジッパーを試してみると割と簡単に外れる。
どうやらジッパーがスーツの鍵のような役割になっているらしい。
背中はこれで外せるかもと思ったけど、脚も腕もそれぞれ大きさが違う。
この様子だと背中も多分違うだろう。
万事休すだ。しばらくはこの格好のままでいるしかない。
「っていうか…なんでジッパーが外れるのよ…。もう最悪っ…」
とりあえず何かの事故でまたどこかへ行かないよう、半泣きになりながら外した金具を小物入れにしまう。
これでもうどのジッパーも開かなくなったと思うと、憂鬱になるのと同時にどこか快感を覚えているのが不思議だ。
「なんで……」
身体中スーツに締め付けられてしかも金具が無いとそれから解放されないとういうのがなぜか気分を昂らせる。
ちょっとした、いや私にとっては大きな事故で途切れた、よくわからない高まりが再びこみ上げてくる。
とりあえず何かしないとマズい。何も…何もできなくなる…。
全身寸分違わず変なウェットスーツに閉じ込められたその格好のまま、部屋を片付けていく。
たびたび不慣れな高さのヒールでぎこちなくなりながら、散らかった雑貨を整理していき、喉から下全ての私を包み込む化学繊維を感じながら、出来上がっていくゴミを処理していった。
969 : 日課のきっかけ[sage] 2010/11/28(日) 10:18:57 ID:yiGibP3q0
どれくらい経っただろう。
スーツの締め付けや蒸れに耐えあるいは味わいながら金具を探すが一向に見つからなかった。
私自身びっくりするほど部屋はもうすっかり綺麗になった…それでも見つからない。
「ハァ…ハァ…ない、ないよ。早く…しないと」
前にトイレに行ってから何時間経つか…それほど時間が過ぎていた。もう限界だった。
中で漏らしちゃおうか…そう悪魔がささやいている。
それは嫌だ。いつ脱げるかわからないのになおさらだ。
しかし、探そうと焦れば焦るほど、尿意が加速し確実に注意力を削いで、金具探しを難しいものにしていく。
その時の私はあまりにも無くなったジッパー金具に固執していた。
「うっ…く…」
耐えがたい苦痛を抑えようと股を抑えた時だった。感覚の薄れた手に固い感触が伝わる。
「?」
そこで私は思い出した。このスーツにパンツのクロッチのような部分があることを。
そしてその部分をスーツ自体に留めるようなボタン金具があったことを。
「ひょっとして!?」
私は、慌ててトイレに駆け込むと、その股の金具を外そうとした。
金具は少し力を入れると外れ、舟形部分がスーツから離れるとジッパーが姿を現した。
「はあぁ良かった」
焦燥を抑えながらジッパーを下ろすと、無事にできる状態になった。
快楽優先で下着を脱いでしまってやっぱり変かなと思ったけれど、今この時点では脱いどいてよかったと思った。
長い長いおしっこをしながら、腰回りの消えない締め付け、纏わりつくスーツの生地の感覚のせいで、まるでお漏らししているような感じがする。
変態みたいだと思う自分と快感だと思う自分とがいて複雑な気分になった。
こんもりはみ出た女性自身を丁寧に拭いて股部分を元通りにして手袋を入念に洗うと、ようやく落ち着けることができた。
970 : 日課のきっかけ[sage] 2010/11/28(日) 10:25:20 ID:yiGibP3q0
クキューー
「あっ」
気の抜けた音がする。緊張していた糸がほつれたせいか胃袋が鳴きはじめたようだ。
「お腹すいたなぁ~」
明日は休みだし金具は後にしよう。昨日の夕食の残りもあるし、今日は幸い調理しないで済む。
いつものように姉がいたら、何か一品作れと言われるだろうがこれからは一人。
文句が出るはずもない。
カシオレもまだ随分残ってたし、今日は一人暮らし祝いだ。
…………
ありものの夕食を手袋で覆われた手で苦労しながら食べ終え、借りていたDVDをみながらゆっくりする。
安堵と満腹感、そして適度なアルコールは睡魔を招くもので、私の場合も例外ではなかった。
「ふわ~…ねむ…。もういいや明日で」
トイレが自由にできる事とやりにくいながらも日常生活が送れる事の二つの大きな安心事で、金具のことが頭の片隅にすっかり追いやられてしまったのもあった。
いますぐ脱ぐ必要はない。そうと決まれば、とっとと家事をして寝よう。
スーツの手袋の上から炊事手袋をはめて洗い物を処理する。
いつ脱げるかわからないのに、洗い物の油なんかがついたら最悪だからだ。
そして、洗濯物を機械にまかせて自分は布団を敷く。
私の作ったその寝床は、ハリケーン的な外国産掃除機もかくやという吸引力で私を磔にしてしまった。
増していく睡魔の中、腕や脚の部分を引っ張ったり擦ったりして、スーツの柔軟ながらも強固な感覚を自分から積極的に味わっていく。
抱擁にも似たスーツの締め付けのせいで変な気分のままだったが、アルコールの勢いも手伝ってすんなり眠れた。
今考えたら私はその時にはもう目覚めていたのかもしれない。
974 : 日課のきっかけ[sage] 2010/11/28(日) 23:35:05 ID:yiGibP3q0
「ぅあっ!…は?」
意識を鷲掴みにされ私はガバッと跳ね起きた。
体中から噴き出る汗と早朝の冷たい空気が夢ではないことを私に伝える。
「う~…」
夢に起こされるなんて久しぶりだ。
痴漢に襲われる夢なんてなんで見たんだろう。
そういう願望があるのか…ねーよ。
くだらない考えをシャットアウトして、床から起き上がろうとする。
ギュムギュム…
全身にゴムがしなるような音がすると同時に、何かが全身にビッチリ貼りついている感触がする。
ハッとして視線を下に降ろす。そこには…。
私の身体の線という線全てをイヤらしく浮き上がらせる黒一色と、その黒に同化したヒールのついたブーツがあった。
「何この格好?!」
慌てて脱ごうとするが脱ぎ方が分からない…。
首の部分を拡げて脱ごうにも、全然拡がらないし、かといってジッパーがあるのかと思って背中を探っても金具がない…。
「どうして…!イ、イヤッ…っ脱げない」
なんでこれを着ようとしたどうやって着た脱げない恥ずかしい嫌だ…
混乱した私は滅茶苦茶にスーツのあちらこちらを引っ掴んで脱ごうとしたり破こうとした。
けれどもスーツはビクともせず、全身に纏わりつく化学繊維が離れては貼り付くの繰り返しだった。
気持ちだけがグルグルと駆け回って、朝一番の働かない脳のせいで収拾をつけられるどころじゃなかった。
だけど、しばらくスーツと格闘している内だんだん頭がはっきりしてきた。
そうだ、金具は…
「私、何やってるんだろ…」
重い頭を支えながら、立ち上がろうとする。
975 : 日課のきっかけ[sage] 2010/11/28(日) 23:38:09 ID:yiGibP3q0
「?!…あ!」
ボスッ…
かなり高いヒールが付いているのを混乱の中ですっかり忘れて、尻もちをついてしまった。今度は慎重に立ち上がる。
「ょいっ…しょ」
不安定さが心地いい。
私はしばらく何癖つけてそのままの格好で一日を始めた。
金具はもう見つけてあった。
なんでもない、ジッパー金具は私の寝ていた枕元にすぐそばの床にあった。
カーペットの色が保護色になっていていて見つからなかっただけで、横になった体勢だと容易に見つけられた。
そう、昨日寝がえりを打った時に見つけたんだ。
そしてそれを小物入れにしまっておいたんだ。
自分に纏わりついているスーツを見、手を拡げ閉じる。
ギシュ…ギュ…
感じるのは何とも言えない安心感と不思議な高揚感、そしてピッチリした心地よい化学繊維の感触…。
例えるなら、タイツの気持ちよさを全身に拡げて包容力を更に増した感じ?
いや、それでも少し言い足りない何かがあると思う。
たったこれだけの動作なのになんでこんなにも気分が高まるんだろう。
「コレ…いいかも」
脱ごうと思っても脱げない体験を二度もさせられた上、殆ど半日着っぱなしですっかり私の体に馴染んだスーツは、どうやら頭どころか心にも侵食したようだ。
もうこのスーツに嫌悪感は微塵もなかった。
私はその日は結局夜までずっとそのままの格好でいた。
丁度丸一日ずっと着っぱなしだった。
脱ぐときは背中のジッパーがなかなかはまらなくて、焦ってかなり苦労したけれど無事脱ぐことができた。
976 : 日課のきっかけ[sage] 2010/11/28(日) 23:48:10 ID:yiGibP3q0
その日以来私は家では毎日あの全身スーツを着ている。
長い休みではずっと着続けることもある。
小物入れにタイマー式の鍵を取りつけて焦らしプレイもしたことがある。
ダイヤル式の鍵にして、そのダイヤルが回らなくて一生着っぱなしになるのを覚悟したこともある。
そうまでしてなんで変なウェットスーツを着続けるのかって?
やっぱり、気持ちいいからかな…。快感は正義!なんてね。
了
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