【拘束フェチ小説】派遣の仕事
- 2016/02/19
- 23:22
519 : 派遣の仕事。[sage] 2006/06/17(土) 20:19:22 ID:TDyxPrBT0
私はとある人材派遣会社に登録している。
あくまで副業としてだったけれど、この仕事はとても割がよく、今の稼ぎで何年か続けて、しっかり貯金しておけば普通に生活するのには十分すぎる稼ぎだと思う。
彼氏を作った事のない私は、オフの時間を有意義に使う手段としてこれを利用していて、今の生活に充実感も感じている。
今日はその派遣の仕事の日。
本業にしている受付嬢の仕事を終えた私は、一旦帰宅して準備を始めた。
今日の仕事先は少し遠い。けれど、交通費だけでなく、経費も全面支給のため、ちょっと遠くても全然平気。
明日は休みだし、仕事のあとはホテルにでも泊まってゆっくりしよう。そんな事を思いながら、最寄り駅から電車に乗った。
とあるパーティでのモデル。それが今日の仕事の内容だった。
与えられた控え室に荷物を置いた私は、隣のミーティングルームへ入る。
そこには既に何人かが集まっていて、最後の方だったらしく、私はそそくさと端の席についた。
間もなく、最後の一人が「遅くなりました」と言って席に着くと、モデルを務める私たちは、数人の女性スタッフから手短に説明を受けた。
彼女らは会場で接待の仕事も受け持つというのに、私はこれから約三時間ほどじっとしているだけでいい。
特にする事のない仕事だし、わりと好きな事だしで、ちょっと悪い気がした。
520 : 派遣の仕事。[sage] 2006/06/17(土) 20:20:49 ID:TDyxPrBT0
どれくらいの時間が経っただろう。
相変わらず、自分の発する音だけが頭蓋の中で聞こえている。
息が苦しくなるのは、私が興奮しているせいだと思う。
自分の出す汗の臭いと、別の淫靡な臭いが、マスクの中にいる鼻腔へとゆらゆら漂ってくる。
今の私は、腕を上げることはおろか指先を動かすことも許されていない。
もっとも、私の上半身は、フレーム金具で固定された上、全身をギブスに使われるものと同種の石膏で固められ、動かそうにも動かすことが出来ない。
下半身はある程度の余裕が持たされているが、負担がかからぬよう、クッションをかまされた状態に保たれた上から、同じく石膏で作られた衣服で覆われている。
マスクはどういう構造なのか、速やかに被せられたためわからなかったけれど、動けないストレスを我慢できる程度に抑えてるなんて。
それに、背面を伝って下半身から上ってくる臭いが、私を興奮させるんだ。
もう何度もこういう仕事を請けている私は、設計の良さも何となく理解できて、今までの仕事と比べても、随分とモデルの事を考えた作りだと思う。
「ヴィーナスか。この腕の作りはアドルフ・フルトヴェングラーの復元像かね」
マスクの耳栓ごしにハスキーな声が聞こえた。
今まで人の声が聞こえなかったのに、この声だけ聞こえたのは、きっとすぐ傍まで寄ってきているのだと察した。
そう。私は、かの有名なミロのヴィーナスの像の中にいる。
全身のほとんどを石膏で覆われ、片腕は台の上で林檎を持ち、もう片方で裾を持つような仕草で固定されている。
私は元々、線が細く、ミロのヴィーナス像そのままにするには肉付きの足りない。
そこへフレーム金具と石膏が盛られて、姿勢が維持させている。
そして、肉付きが足りている部分…私の胸元から腹部にかけては、地肌に全身の色に似せた色を塗られていた。
521 : 派遣の仕事。[sage] 2006/06/17(土) 20:22:02 ID:TDyxPrBT0
ふはっ、と私は外気と接している鼻で間抜けな音を立ててしまった。
突然触られた地肌の部分に驚いて、閉じたままの目を白黒された。
触るだけでなく、揉むような動きをするその手に、私は元より湿らせていた部分をさらに潤わせているのに気づいて、体温が少し上がっていくのを感じた。
幸い、金具で固定されているから石膏が薄い部分を割ったりする事はなかったけれど、胸元は吸気によって膨らんだ事だろう。
きっと、見えていなかっただけで、触る仕草もしていただろうし、スタッフの了解も得ていたのだろうけれど、マスクによって、視界をふさがれ、ほとんど音も聞こえず、皮膚のほとんどを石膏に覆われて気配も測れない私には、それは唐突過ぎる出来事。
「はー、はー」と、自分が荒い呼吸をしている事を感じて、顔がまた火照りだす。
続けて、鎖骨のあたりを撫でるその手は、おそらく先ほどのハスキーな声の誰かだと思う。
もし私の口が開いたなら、この舌で何を言っていたことだろう。
ぴったりと閉じた状態で固定された唇の奥、私は自分の口内を嘗め回し、姿の見えぬ誰かを想像する。
硬く固められた布の内側、外からは見える位置で少しばかり動かせる足を内側でこすり合わせると、ヴィーナスの像ではない私が、唯一身に着けた下着を滑りを持った液体が腿を伝って、脹脛のクッションの部分まで垂れているのが分かる。
私は止んでしまった手の動きの幻影を追いながら、動くことができない体にじれったさを感じながら、一人、その行為を続けていた…。
石膏から掘り出されるとき、誰の目にも明らかだったと思うと、また体の芯が熱くなる。
ホテルのバスルームで、全身を打つシャワーの水の愛撫で、私の手は無意識のうちにそこへと伸びてゆく。
羞恥心が、私を快楽へと導くと知ってからというもの、私はもう、戻れなくなった。
この仕事は、やめられない。
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