注目記事

【拘束フェチ小説】鷹美(3)「幕間」

0 -
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

731 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/26(火) 10:49:36 ID:Cj0R3vt70

 鷹美の超拘束な毎日が続く。

 鷹美は毎日快感を渇望し、そして与えられ、毎日淡々と拘束されたまま暮らしている。

 鷹美は飽きない。

 思考の範囲を自ら制限し、毎日1回の寛貴との逢瀬を楽しむ。

 

 だが寛貴は、少し飽きてきた。

 やはり鷹美の姿が見たい。

 柔らかい肉体を抱き締めたい。

 全ては自分の我儘で始まり、そして終わりも自分の我儘になるのか。

 しかし、鷹美が失踪してからもう2月目になる。

 どうやって問題なく社会復帰させるのか。

 またはもうこのままにして、ここで飼うのか。

 

「寛貴くん、最近楽しそうじゃないね」

「はあ、きもちいいんですけど、やっぱ姿も見たいなと思うことがありますよ」

「ははは、ほんとに我儘だね、君は」

「すんません」

 リーダー達はすでに鷹美に付ききりの体制からは離れ、別な人の調教に入っているようだった。

 他にもこのような調教用の地下室があるようだ。

「そうだねぇ、鷹美ちゃんの維持にも結構お金かかってるからねぇ。こっちも半分趣味だから、寛貴くんが喜んでるうちは別に気にならないけど、依頼主が飽きてきているのに持続的に大金を注ぎ込むはちょっとね」

「うわ、そんなに金かかってんですか。困ったな」

「一旦鷹美ちゃんを出すかい?」

 自分の気持ち一つで、このまま一年でも一生でも行けそうな雰囲気だが、鷹美の精神状態も心配だったし、また鷹美を埋めたくなったら頑張ってお金を貯めて依頼すればいいと思った。

「……はい、一度会いたいですから」

「おっけー」

733 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/26(火) 10:58:20 ID:Cj0R3vt70

 鷹美はまどろみの中で口にいつものちんぽを受け入れ、んくんくとしごきはじめた。

 寛貴に元気がない。

 いつもと様子が違うことに気付いた。

 

 やがて周囲がうるさくなり、大したこともしていないのに寛貴が抜けてしまった。

(捨てられる!!)

 鷹美はそう直感して、ついに寛貴が自分に飽きて、廃棄処分にされるのだと思った。

 毎日鷹美は淡々と楽しんではいたが、きっと寛貴は飽きてきているのではないかと心配していたのだ。

 複雑な思考回路が麻痺している鷹美は、単純な恐怖に激しく震えた。

 だが、生命維持のための補器を外され、ただのウレタンの塊のままゴミ捨て場に打ち捨てられる自分を想像して、ガクガクと興奮しはじめた。

(はひっ! はひっ! うう、私、もういらない子なんだ……!)

 廃棄という状況が自分の不幸な終焉であるにもかわらず、超甘美な絶望感が全身を満たし、ウレタン漬にされる瞬間や、モノとしての調教完成の瞬間や、もっとずっと前の何も知らなかった初心(うぶ)な自分が寛貴の我儘で奴隷化された瞬間にも似た興奮を覚えていた。

 

 ケース全体を5人がかりで台座から床へ降ろした。

 蓋が外され、口枷をアクリルケースに接合してた筒状のネジが抜き取られた。

 アクリルケースの面と面を繋ぎ合わせていた透明なネジが全て抜き取られ、ケースはあっという間にただのパネルの集まりになった。

 内面に分離剤が良く塗ってあったのか、鷹美を内蔵したウレタンはまるでスポンジケーキのようにきれいに剥がれ、自立していた。

 しかし四方の支えが無くなったので、いかに高圧で固めたウレタンとはいえ、その巨大な容積と内包する鷹美の体重とで、側面がいびつに膨らみ、全体的に高さが減っていた。

 非常に注意深く見ると、ウレタンがポヨポヨ・プルプルと細かく揺れているのがわかる。

 これは鷹美の拍動によるものだ。

 確かに生き物がこの中に閉じ込められているのだ。

「アハ、鷹美ちゃん、ずっとイッてるみたいだよ? 捨てられえると思ったのかね。すっかりマゾになっちゃったね」

 寛貴は余計に鷹美を早く取り出して抱き締めたいと思った。

738 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/26(火) 23:21:17 ID:4eHhSXPS0

 リーダーは大きなカッターでウレタンに注意深く切れ目を入れると、ちぎるように引き裂いた。

 かなり硬そうだったが、手で裂くことができる様子だった。

 生命維持パイプ類の近くまで裂くと、すぐに中から黒い塊が覗いた。

 ここまで壊すともうウレタンは自立しないので、周囲をスタッフが支える。

 壊す時は位置決めの必要がないのでホイストの出番はないようだった。

 

 革スーツの表面にも分離剤が塗ってあったのか、細かい構造に入り込んだ部分はちぎれてのこったが、ほとんどの部分はまるでプリンを型から取り出す時のようにプルンと外れた。

 ウレタンの塊が取り除かれると、そこにはベージュ色のカスがいっぱい付いた、真っ黒な環が横倒しに置かれていた。

 口や股からは未だに多くのチューブや電線が補器へ伸びたままだ。

 口のゴム栓はアクリルケースと口枷を接続するパイプを抜く時に外されているので、真っ黒な環に真っ赤な熟れた舌が淫靡だった。

 

(んーーーーっ!!)

 鷹美は何が起きているのかわからず、ただ無音の叫び声を上げた。

 それでもまだ廃棄されるという恐怖は消えず、きっとゴミをちゃんと分別しないとダメなんだと勝手に思っていた。

 ウレタンは、プラ系の分別ゴミ。

 私は…… 生ゴミなのね、きっと。

 

 横倒しにされて、久々に身体の血の巡る方向が変わり、色々なところがジンジンしびれてきた。

 廃棄される寸前に、自分の身体に人間らしさがもどってきたことが皮肉に思えた。

742 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/28(木) 00:17:42 ID:WZiO71yr0

 横倒しのまま、鷹美の身体を逆エビに引き絞っているストラップ類が外された。

 手は逆エビにされる時に背中で後ろ手に拘束されていたので、逆エビから解放された時点で鷹美は手足とも自由になった。

 しかし、横倒しのOの字がCの字に変化した程度で、鷹美の姿勢はほとんど変わらなかった。

「まずこうしないと全頭マスクが外せないからね」

 自分が履かされているブーツで、自分の頭を左右から挟み込むような姿勢にされていたので、それを解除しないと全頭マスクにアクセスできなかった。

 リーダーはまずコンソールを操作して、鷹美の瞼を圧迫しているバルーン内の墨汁を抜き、液晶シャッターも開放した。

 鷹美は瞼の自由を得たが、すべてがぼやけて、また眼ヤニで眼球が接着されたようになっていて、ただ明るさしかわからなかった。

 

 鷹美はまだカナルイヤホンの耳栓をされているので、音は聞こえず、未だに廃棄のための分別処理の最中だと思い込んでいた。

 リーダーが耳を覆う革パーツのジッパーを強引に開き、パーツを捲ると、下はシリコンの塊だった。

 塊を掴んでゆっくり剥がすと、きれいに耳の形を型採ったように剥がれたが、中心はまだ耳の穴に食い込んでいた。

 そこに埋まっているイヤホンのケーブルを掴み、型ごとひねるように回しながら引っ張ると、さながらサザエの壺焼きから身を引き出す時のような状態でイヤホンごと抜けた。

 3人ががりで鷹美をCの字のまま左右反転させ、反対の耳のシリコンも抜いた。

 状況が把握できないまま耳だけ聞こえるようになったので、混乱して無音の絶叫をしているのが、鷹美の胸の激しい上下動でわかる。

 

 耳以外に流された全頭マスクのシリコンは、マスクの二重構造に流れ込み、直接鷹美の肌に触れていないので、全てのベルトを外して革を引っ張ると、普通の全頭マスク同様に脱がせることができる。

 むしろ耳の部分がすでに大きな穴となっているので楽かもしれない。

 鼻の穴を通るチューブと補器との接続が外され、鷹美はまだチューブ越しとはいえ、久しぶりに楽な呼吸をした。

745 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/28(木) 00:36:18 ID:WZiO71yr0

 シリコンを内包した革マスクは、普通の全頭マスクのようにくたくたに潰れず、口枷の金属筒を抜く時も、まるでデスマスクのようにある程度の形を保っているため、少し作業がしづらいようだった。

 それでもついに2か月ぶりに鷹美の素顔が現れた。

 

 口枷の周囲にもシリコンが流されていたため、鷹美の口は金属筒が抜けたままの形をそのまま維持していて、ぽっかりと丸かった。

 まるで鼻からチューブを生やしたダッチワイフのような顔だった。

「ヒュー! シュヒュヒュヒューーーッ!!!」

 鷹美はわんわん泣いていた。

 横倒しのまま、まだ身体が逆エビから直らず、ヘヤピンでまとめられたままの髪は脂汗でドロドロ、顔も垢が浮いていた。

 鼻から出ているチューブについたカフ用の管から空気を抜くと、鷹美の気道の戒めがついに外れた。

「けほっ! ヒュヒューッ!! ゲホゲホ!」

 リーダーが鷹美の口の穴から細いチューブを突っ込んで、タンのようなものを吸いながら鼻のチューブを抜く。

「ゲハッ! ゴボッ!」

 丸い口からせき込む鷹美。

「イハイ! イアイヨウ!」

 鼻の粘膜が痛いのか、泣きながら叫ぶ鷹美。

 同様に胃のチューブも抜かれ、鼻水をダラダラ垂らし、鷹美の顔は涙と鼻水とヨダレでぐちゃぐちゃだった。

 リーダーが鷹美の唇をめくりあげ、歯ぐき近くにあるマウスピースの縁に爪をかけて強引に引っ張ると、シリコン部が歪むようにして、上下の歯を覆うマウスピースが一塊で外れた。

「うわああぁぁ、ろれつまわんらい」

 顎がうまく動かない様子で、口も自由になったのに鷹美はまだしゃべれない。

 リーダーが寛貴に温タオルを渡し、寛貴は鷹美の後頭部を支えるようにして、顔を拭った。

752 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/29(金) 00:17:52 ID:gLvXZzVJ0

「てぃっしゅ。てぃっしゅうう!」

「何?」

「てぇっひゅらってば! はらかみらいお」

「寛貴くん、『ティッシュだってば、鼻かみたいの』だよ」

「ああ」

 慌ててティッシュを探す寛貴にリーダーがポケットティッシュを手渡す。

「すんません」

 鷹美は手で掴もうとしたが、ずっと後ろ手に固定されていたためうまく動かない。

 寛貴が代わりにティッシュを取り、鷹美の鼻にあてがうと、鷹美は躊躇なく鼻汁を噴出した。

 

「ゴホ、もちょっとちゃんと押さえてよぉ」

「悪い」

 納得いくまで鼻をかむと、鷹美はかなり普通に喋れるようになった。

「ああ…… 寛貴だ。 ひろきぃ。 あたし、もう捨てられるの?」

「バカ、やっぱお前の顔が見たくなったんだよ。俺のわがままで悪いな」

「そっかぁ…… えへへ」

 

「げふんげふん、あーラブラブはもうちょっとあとにしてくんない? 先に排泄チューブとか外さないと片付かないんだよね」

「あ、すんません」

 やっと逆エビの姿勢がほぐれはじめた鷹美を、左右からスタッフに抱えさせて立たせ、こびりついたウレタンの粉をパンパンと払うと革製のミニセーラー服のスカートだけ外した。

 革スーツの股ジッパーを下げ、チューブ類が接続されている部分を剥き出しにして、コネクターを外し、尿道とアナルには専用の蓋をした。

「えと、あの、お尻とおしっこの穴はもうダメとしても、アソコに入ってるのは抜いてもらえないんですか?」

「それは寛貴くんに抜いてもらって」

「えーー? これ、お腹の奥がごりっ……て、あん! あふっ! 思い出すと動くのぉ! あ、あと、乳首のとかは?」

「それも寛貴くんにドライバー渡しておくから」

「ええーー? それまで付け根を絞られたままぁ? ひいん! あ、いやっ、硬くなってきちゃったぁ」

 ご丁寧に革のミニスカまで戻された。

 そうしている間に補器類の器具や、鷹美の汗や粘液を吸って異臭を放つウレタンの残骸などが片づけられた。

755 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/29(金) 09:15:46 ID:gLvXZzVJ0

「さて、鷹美ちゃんの社会復帰の準備ができるまで、鷹美ちゃんはここで暮らしてね」

「しゃ、社会復帰って…… ところで今何月何日ですか?」

「あれから2カ月経ってるよ」

「ひゃあああ! 大変だ! おかあさん!」

「一応、事件に巻き込まれて、某地方都市で入院中ってことにしてあるから」

「あー、俺も警察で事情聞かれたなぁ」

「ご家族には全身包帯で巻いたダミーを見せてあるよ」

「心配してるだろうなぁ」

「無事に戻れば2カ月くらいのことはすぐ忘れるよ」

「そんなぁ適当すぎ」

「大丈夫、ここで手伝ってくれてる人たちは結構な専門家ばかりだから」

「いくら専門家って言っても人間2カ月失踪してたらごまかし切れないでしょ」

「うちみたいな趣味の集まりって結構な役職の人も多いんだよね。えーと、けーさつのエライ人~」

「はーい」

 スタッフの男の一人が手を挙げた。

 リーダー同様レスラーマスクで顔を隠しているが、目の穴から見える眼光は5,60代の要職にある人のそれに見えた。

「しんぶんのエライ人~」

「ほーい! かいちょうやってまーす」

「いつも忙しいのにお手伝いありがとうね」

「いやー、最近ヘリの免許取ったんですわ、ガハハハハ。こんなスゴイものが見れるならお安いもんですわ」

「うわぁ……」

「あーもう私語やめ。寛貴くんたちが引いてるよ」

「ごめんごめん」

 寛貴はスタッフは若そうな人から年配そうな人まで、入れ替わりが多いとは思っていたが、まさかそんな人たちまで混じっているとは思わなかった。

「今居ないけど、他の分野のエライ人もいっぱいいるよ。こういうヒトたちが同一目的で結託するとコワイよねぇ~」

 一番ヤバそうなリーダーがそう言ってけらけらと笑った。

756 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/29(金) 09:17:37 ID:gLvXZzVJ0

 器具類やゴミも片付き、妖しい地下室にも一時の穏やかな一瞬が訪れた。

 地下室には薄汚れたマットレス2枚が残され、その一枚に鷹美が横たわり、傍のマットに胡座に座った寛貴がそれを見下ろしている。

 スタッフはリーダー以外全員引き揚げた。

 

 突然、鷹美が叫びだした。

「ひいい、臭い! 自分が臭い! あ、あの、シャワー使えませんか?」

「あー、鷹美ちゃん、君はまだまだ立場奴隷なんだから、多少動けるようになっただけでも喜ばなきゃ」

「はふっ、わかりました……」

「そうだな、日常に戻ると決めたなら、さっさと戻ろうぜ。少し我慢しろよ、鷹美」

「うん」

 

「寛貴くん、今日はもう帰らないと遅いよ」

「はい」

 寛貴は横になっている鷹美の顔に口を近づけた。

「じゃあな。また明日来るから」

「ん」

 仰向けのまま唇を突き出す鷹美。

「あからさまだとテレるな」

 そう言いながらも唇を重ねる寛貴。

 深めに口を合わせ、1,2秒モニモニやっていたら突然寛貴が目を剥いた。

「ん”----!!!」

 腕立て伏せのような姿勢で鷹美に被さったまま、耳まで真赤にしてぷるぷると震えている。

 鷹美はキスしながら妖しく下半身をくねらせている。

「ぷあっ! ああん、離しちゃやだぁ!」

「死ぬ」

 寛貴がゴロリと横になってハァハァと大きく息をする。

「ちょ、た、鷹美、お前、舌、スゴ、無理ッ、こんな」

「ああん、もう少しで軽くイケたのにぃ、つまんないの」

 鷹美の舌技はしっかりと身に着いていた。

762 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/30(土) 00:11:59 ID:crRrvYjA0

「アハハ鷹美ちゃん、まだ明日もあるんだから、焦らないで」

「はーい。あ、そうだ、あたし、まだしばらくここに居るんですよね」

「うん、そうだよ」

「あの…… 後ろ手に縛ってください……!」

 リーダーは察してニヤリと笑い、手錠を取り出し、鷹美に後ろ手に掛けた。

「じゃあね寛貴。あたしまだ自分で立てないから、このままごめん」

 マットに後ろ手錠のまま横たわり、寛貴に背を向けたまま鷹美が言った。

「ああ」

 寛貴も素っ気無い言葉を残して部屋を出た。

 

「鷹美はなんであんなこと言ったんすかね」

 寛貴は帰りの車の中でリーダーに尋ねた。

「考えてごらんよ、あのまま手が自由だと、鷹美ちゃんあらゆるトコロをいじっちゃうよ。完全拘束前提で取りつけられてる器具の一部がまだそのままだから、強引に掻きむしったり、引っ張ったり、それをこすり合せてオ○ニーしたりすると危険だからね。きっと鷹美ちゃんは自分がヘンになって狂ったようにいじりまわしちゃうと思ったんだろうね」

「なるほど」

「その状況を完全に認識して申し出たわけじゃないだろうけど、このまま一人でいると狂いそうになると予感したんだろうね」

「はあ」

「でも、いずれにせよ、今頃大変なことになってるよ、きっと」

「え?」

763 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/30(土) 00:14:12 ID:crRrvYjA0

 二人が出て行ったあと、リーダーの言った通り、鷹美は大変なことになっていた。

 ウレタンからは解放されたとはいえ、ヒールの高いブーツに包まれたつま先から鷹美の華奢な首までは、未だビッシリと真っ黒な革で覆われたままだ。

 しかもチューブ類は外されたが、その黒い革スーツの下は、絞られた敏感な3つの突起や、膣内のディルドーまでがそのままなのだ。

 

「ふーーーぅ……」

 顔面拘束の有無と姿勢が違うだけで、ウレタン漬の時と性器等の様子はあまり変わらない鷹美は、それでも顔の自由があることを再確認するように、わざとらしく至極普通のため息をついてみた。

 身体が動かせるようになった分、余計にこの革スーツの下で自分の身体に施されている恐ろしい性器への責めを感じてしまう。

 乳首もクリトリスも血の巡りが良くなったせいか、一層ズキズキしてこの革スーツの下で未だ厳重に拘束されていることを思い知らされる。

 そして、もう永久に取り外せない尿管と肛門を拡張したまま固定しているリングが、排泄器官を自力で閉鎖できないという屈辱の脱力感をずっとずっと与え続けている。

 この筋肉緩めていては、おしっこもうんちも漏れっぱなしなはずなのに……

 この筋肉はしっかり閉じてなきゃダメなのに……

 もう二度と使わなくていい。

 いや、使えないんだ。

 

 そっちはもどうしようもないので、せめてディルドーくらいは抜いてくれるかと思ったら、寛貴に任せるとか言ってそのままにされてしまった。

 だから今でもずっと子宮口を突き上げられたまま。

 革スーツの下も、2か月分の垢のことを考えると、きっととんでもないことになってるであろう皮膚が、急激にカユミを帯びてきた。

 

 鷹美は薄暗い地下室の汚いマットに横になったまま、もぞもぞと身体をくねらせた。

 

 はううッ! 今すぐ全身いじり散らして、猛烈にきもちいいいいいいオ○ニーがしたあああああいあいあいいいいぃぃイィィ!!!!

764 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/30(土) 00:20:39 ID:crRrvYjA0

「くはあッ!! いじりたいのォ!! きもちよくなりたいのぉぉ!!」

 誰もいない地下室に、わざと絶望の叫びを大声で響かせ、後ろ手の手錠をガキンと引っ張る。

 ドロリと思考に魔が流れ込む。

 口を丸く開けて、ベロベロと舌で虚空をかきむしる。

「おちんぽ! おちんぽください! 舐めさせて! 舐めるとイケるのぉぉ!!」

 誰もいないのをいいことに、少し芝居がかって遠慮なく絶叫する鷹美。

 ガキンガキンと全身で暴れると、付け根を締め付けられたままのクリと乳首が、革スーツの中でつまみだされる。

 はうっ、気持ちいい!

 足は繋がれてないので、左右で動きを変えて、股間がうまく撚れるように動かす。

 ああでも、でも、舌でおちん舐めしゃぶる時のようなあの高揚と絶頂には程遠い。

 

「ああッ!! はあうッ!! おっちんぷぉぉおおお!!!」

 調子に乗って絶叫を続けていたら、寛貴を送ったリーダーが帰って来た。

「お、頑張ってるね?」

「キャーーーーーーッ!!!! わーーーーーッ! きいちゃダメーーーーッ!」

 鷹美は耳の穴の中まで朱に染まるほど真っ赤になった。

 

「これ、使う?」

 リーダーが見せたのは、ここの備品にしては至極ありきたりな、ゴムのディルドーをベルトに付けただけのペニスギャグだった。

 

 鷹美の瞳孔がキュウウゥっと縮む。

 

 真っ赤な顔でチロリと視線を逸らし、それから目を伏せ、5秒ほど口篭ってから目を上げ、リーダーを見つめてコクリと頷いた。

765 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/30(土) 00:21:20 ID:crRrvYjA0

 リーダーが自ら鷹美を起こし、まだ圧迫による赤味と腫れぼったさの残る鷹美の唇にその柔らかい先端を押し当てた。

 鷹美は目を閉じ、口をゆっくりと開けて、外人サイズのそのデロリとした軟質ペニスギャグを喉まで受け入れた。

「ンンーーーーーーッッ!!」

 呼吸は出来る程度の長さのようだが、鷹美は目を剥いて上半身を揺すった。

 苦しかったのいではない。

 鷹美は『今欲しい物のツボ』にソレが嵌まったのだ。

 鷹美の目にはもうリーダーは映っていない。

 リーダーがそっと鷹美を寝かせる。

 南京錠すら付いていない、後頭部で簡単にベルトを絞られただけの拘束だが、再び口の自由を奪われた鷹美は、夢うつつの中でガクガクプルプルと快感の波に震えながら、黙々とソレをしゃぶっていた。

770 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/30(土) 22:39:39 ID:2Bk0EcUO0

 昨晩の擬似口淫で少し満足したのか、EMS中はただしゃぶっているだけで満たされ、鷹美はあまり淫らな気持ちにはならなかった。

 身体を固定されていないので、足の筋に電流が流れると勝手に伸びたり縮んだりするのが面白かった。

 腕が手錠で繋がっていることを心配したが、腕の筋肉の時はそれほど力が掛からなかった。

 EMSが止まると、鷹美はまどろみ、また覚醒してはぼんやりしていた。

 

 寛貴が来た。

 寛貴は鷹美が口にペニスギャクを突っ込んでいるのを見てギョッとした。

「寛貴くん、ホンモノあげなよ。ずっと待ってたんだよ」

「ムウ! フッモハンヘハンラッハエ!! マッハホ……、オゲェェェェ!!」

 鷹美はディルドーの先端が喉ギリギリまで届いているのを忘れ、無理に喋って吐きそうになった。

 涙目で寛貴を見上げる。

 

 寛貴は鷹美のうなじのベルトを外し、ペニスギャグを引き抜いた。

「オエッ。ちょっと胃液出ちゃった。 ……もう! 待ちくたびれたぁ!」

「悪い、じゃ早速」

 寛貴はジッパーを下げて、自分のモノをポロリと取り出す。

 

「あむっ。」

 

 鷹美は、それはそれは美味しそうに頬張ったあと、一瞬「おっと」という顔をして、少し真面目な顔になって位置を戻した。

 そして、あのアクリルケースのフェラマシーンの時のことを思い出し、まずは入り口で先端だけしゃぶった。

 今度はバキュームができるので、キスするようにチュッチュと吸った。

「鷹美ちゃん、歯だけは気を付けてね。当たると超萎えるから」

「ふぉーーい」

「咥えたままゆーな」

「ふぉい」

「ちぇ」

771 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/30(土) 22:40:51 ID:2Bk0EcUO0

 鷹美は後ろ手がもどかしく、手を添えたい様子だったが、寛貴は不自由な姿勢で一生懸命しゃぶってくれる鷹美に萌え、よりいっそうペニスを硬くしていた。

 鷹美は開口を口枷に頼っていたところがあるので、歯を当てないようにかなり苦労していたが、もうマウスピースは無いとはいえ、2ヶ月も同じ位置で固定されていたため筋が顎位を覚えており、自然と口が閉じてきて歯を引っ掛けるということは無かった。

 

 先端と竿をたっぷりと刺激し、鷹美自身ももうすぐイキそうなほどハイになっていた。

 もともと固定されたままの姿で全てが行えるように調教された舌技なので、あまり頭を前後に振ってピストンさせる必要がない。

 さらにバキュームまで可能になったので、舌のうねりで何度も何度もしごきあげ、その運動刺激に自分の快感も載せ、鷹美はどんどん昇り詰めてゆく。

「ンフッ!ンフッ! ンンンンーーーン!!」

 呼吸管理されている時には出せなかった甘い鼻息をたっぷり撒き散らし、身も心も溶けそうな快感に浸りながら、まず寛貴の射精を見届けた。

「うっ! くはっ! うお!吸われるッ!」

 そこへ自分の気分を全部乗っけて激しく昇り詰める。

 寛貴のを擦り上げる自分の舌が、性器の粘膜そのもののようできもちいい。

 目玉の裏が光り輝くような、恍惚の瞬間がやってきた。

 寛貴のを噛まないように注意する。

 

 イク。

 

「ンンンンーーーーーーーー!!!」

 跪いたまま後ろ手の姿勢というのもなんだかとても萌えて、鷹美も寛貴も絶頂後の余韻の中で離れずにいた。

772 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/30(土) 22:41:47 ID:2Bk0EcUO0

「さて、済んだなら鷹美ちゃんを脱がすよ。寛貴くん手伝って。ドライバー、持ってるよね?」

「はい」

「そしたら最初に乳首のネジを緩めて」

「はい」

 鷹美はやりとりを聞きながら、しぼんだ寛貴のモノを舐めてきれいにした。

 寛貴はソレをしまって、鷹美をマットに横たえ、特殊ドライバーを取り出した。

 革スーツの乳首穴を囲む金属リングに明いた3つの穴にドライバーを差し込み、次々と緩めた。

「はひぃ!」

「え? 痛い?」

「あ、う、えーと、食い込んだ棒の先端が、回転するときに擦れるのが、ちょっとね」

「その位は我慢しろよ」

「うん、別に平気」

 寛貴は作業を続ける。

「はあンッ!」

「今度は何だよ?」

「いや、おんなじなんだけど、声は出ちゃうのよぉ。いいじゃん、ほっとけ」

「はいはい」

 

「全部緩んだら、一度マット片付けるから、立って」

 今日はスタッフが誰もいないので、リーダーと寛貴でマットを片付け、長いホースのシャワー水栓を持ってきた。

 鷹美は内心踊り上がらんばかりに喜んだ。

779 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/31(日) 01:27:25 ID:aWVyfHYv0

「革スーツ開けてあげて」

「はい」

 手錠が外され、いよいよ2カ月ぶりに革スーツが脱がされる。

「あ、い、いいよっ! 臭いから、自分でやるっ!」

「だーめ。ココに居る時はあんまり慣れ合わないで、鷹美ちゃん」

「う…… はーい」

 寛貴に背中を向け、寛貴の手によってうなじのジッパーがジジジと下ろされる。

 寛貴の目の前に、思ったより普通の鷹美の背中が現れた。

 両手で顔をパシッと覆う鷹美。

「いやっ、匂い嗅がないで……」

 寛貴の鼻にムワッと立ち昇った匂いは、当然のことながら長期間風呂に入らなかった時の垢臭いすえた臭いだった。

 例えるならヘソのゴマの臭い。

 今の鷹美は、全身ヘソのゴマまみれといったところだろうか。

 しかしそれに加えて、淫らな体液の煮詰まった、磯臭さのような匂いも混じっていた。

 嗅いだとたん寛貴は勃起が止まらなくなってしまった。

「……ぐすっ……臭いでしょ?」

「そりゃ少しはな。だがお前が心配するほどじゃねーぞ」

「ほんと?」

「ほら、嗅いでみろよ」

 少し体表をなすって嗅がせてやろうと、寛貴が鷹美の背中を指でツッと押すと、びっくりするくらい厚めにズルリと垢が剥けた。

「ひゃん!」

「おわっ!」

「あっと、今はふやけ切ってるから、無理に剥いたらダメだよ。垢と表皮の境界が不明瞭になってるからね」

「すみません」

 幸い、そこは垢が剥けただけだった。

783 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/31(日) 09:06:27 ID:aWVyfHYv0

「スーツを前に剥ぐから、腕は自分で脱げるか?」

「うん、やってみる」

 寛貴は背中側の革を全部前方向に開いた。

 鷹美はそれを受けて指先から少しずつ革手袋を引っ張り、やがて左右の腕とも全部脱いだ。

「わあ、指先がシワッしわ。ツメがすごいことになってる~ でも思ったよりは伸びてないな」

「はいはい、どんどんやって」

「はーい」

 寛貴がジッパーを尻から股まで全部下ろし、鷹美も自分で腰の部分に手をかけて、太ももからブーツ部分までを一気に脱いだ。

「すげー、身体の部分によって臭さがビミョーに違う。やっぱブーツん中は足裏くせー」

「ちょ、か、嗅ぐなッ!! バカッ!」

「ほらほら慣れ合わない」

「嗅がないでくださいまし、ご主人様」

「おもしろくねーし」

「鷹美ちゃん、黙ってるか『いやん』くらいにしておきなよ。『バカ』はだめだよ」

「はーい。すみませーん」

 

 鷹美はついに拘束パンツ1枚の裸になった。

 リーダーは鍵を出し、拘束パンツのサイドにある鍵を解錠した。

「ここは任せて」

 鷹美の股を開かせ、まずクリトリスを挟んでいるリングのネジを緩めた。

「ハヒッ! 感じちゃう!」

「鷹美ちゃん、クリおっきくしないでよ」

「そんなぁ! ムリですよぅ」

「あ、緩んだ。ここまで緩めば外れるから」

784 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/31(日) 09:08:20 ID:aWVyfHYv0

 その後、尿道と膣と肛門と、3か所を留めているリングをゆっくり外す。

 今は尿と便が漏れないように蓋がしてあるが、蓋は固定リングより内側の筒本体にねじ込んであるので、リングとは別構造だった。

 前後の蓋は残したまま、ついに鷹美は拘束パンツも脱いだ。

「ああーーーーっ!!」

 鷹美が鼻にかかった叫び声を上げると、膣内から子宮を突き上げていたディルドーが抜け、地下室の床にゴトリと落ちた。

「あぁーーン……」

 子宮が楽になった解放感と、膣の排泄快感から恍惚の呻きを上げる鷹美。

「残りの2つは外せないからね」

「わかっ…… て…… ます……」

 

 リーダーが革スーツや拘束パンツを片付け、鷹美の余韻が引いたところでやっとシャワーになった。

 鷹美の体表は完全に湿った状態から少し乾燥しはじめ、首周りなど最初に革を脱いだ部分からはボロボロと垢が剥がれ始めていた。

「寛貴くん、下、下着だけになってよ。今からキミは鷹美ちゃん専用のシャワースタンドね」

「了解です」

 寛貴は靴も靴下もズボンも脱ぐと、シャワー水栓を握って鷹美の傍に立った。

「鷹美ちゃん、立ってシャワーすると寛貴くんがずぶぬれになるから、必要な時以外は屈んでやってね」

「はい」

 リーダーがせっけんとシャンプーとボディーブラシを出し、寛貴が水栓を捻った。

 シャワーについたダイアルで水量と温度を調節する。

「最初にブラシ使っちゃダメだよ。まずは手でよく垢を落としてからね」

「はーい」

 シャワーの下で鷹美が自分の身体を指先でこすると、本当に一皮剥けるように垢の塊が剥がれおちた。

 髪の毛は何度シャンプーしても全く泡立たない。

 4,5回良く流した後に付けたシャンプーでようやくまともな泡が出た。

789 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/31(日) 19:34:36 ID:3rzY73Z/0

 鷹美は自分自身で全身をこすりながら、やっと本当の表皮と代謝物である垢が分離した触感を得た。

「もうブラシいいですかー?」

「いいんじゃない?」

 まるで歯ブラシに練り歯磨きを絞り出すような勢いでボディーシャンプーをブラシにてんこ盛りに載せ、特に背中の痒い所を中心に思う存分洗いまくる鷹美。

 太腿・脚・足裏まで全身磨き上げた。

 そして性器周りは慎重に指で洗う。

「アハハ、自分で直接触ると、とんでもなくスゴイことされてるってわかるねコレ。おしっこ穴もうんち穴も人工の栓なんて。最初に膨らまされた時よりうんちしたい焦燥感って減ってるけど、でもいつもうんち詰まってる気分がする」

「それって実は奴隷になった子にとってはいいことなんだよ」

「えー? 文字通り不便ですよぅ」

「ご主人様以外の人間、親にだって知られない部分をずっと拘束されてると、いつもご主人様のこと意識してられるから。ボディーピアスやタトゥーなんかと同義かもね」

「あ……」

「どうしても嫌だったら、1カ月くらい時間掛けるか、手術すれば取れるけど、やっぱ取りたい? 後者得意だよ」

「ヒイイイ! 手術怖いぃぃぃ!」

790 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/01/31(日) 19:36:16 ID:3rzY73Z/0

「1カ月ってのは、シリコンを溶かす薬剤を注入してもう少し膨らませちゃうの。すると1日で表面が一層溶けるから、それを吸いだして、また溶剤を入れて1日。これを30回くらい繰り返すとかなり細くなるから、お尻の方は死ぬ気でいきむと便秘便みたく栓ごと出るよ。尿道は完全に同径にするのは気が遠くなるくらい時間がかかるので、多少太くても無理矢理引き抜くと、尿道裂傷になるけど抜けるよ。裂傷もしばらくすれば治るから。その日から治るまではオシッコするたび地獄だけど。あ、フツーのカテーテル入れておくか」

「ヒイイイイ!!」

「それに、鷹美ちゃんがまた埋められたくなったら、この前後の筒は必須だから、いずれにしてもまた挿入することになるけど」

「シリコンでなく空気って選択肢は無いんですか?もうっ」

「うん。」

「あああ」

「細かいこと言うとね、空気のバルーンはやっぱり少しずつ空気が抜けるのよ。超拘束中に機器の固定が外れて、漏れると悲惨だよ」

 

 鷹美はびちゃびちゃとシャワーの水流を頭に受けながら、指先で愛しそうに尿道と肛門の金属栓の周囲をなぞった。

 目の前でクリトリスが痛いほど勃起していた。

793 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/01(月) 00:49:01 ID:W1Z7aInn0

「いっぺん流して」

「はいよ」

 寛貴の操る水流を、目をぎゅっと閉じた笑い顔で浴びて、水流の下で漱(すす)ぐようにブラシでこする。

 寛貴が水流を絞ってジェットモードにすると、拘束中にボリュームの増えた髪の毛の下の頭皮でその水流を受け、毛根近くの皮脂を流して仕上げとばかりにまだ長いままのツメでガシガシと漱いだ。

「もう、いいです」

 寛貴が鷹美から水流の狙いを外し、周囲に散った泡や垢を排水口に向かって水流で押し流し、水栓を閉じた。

 

 鷹美はリーダーに渡されたタオルで髪や体を拭く。

 他のスタッフは居ないので、寛貴がモップやワイパーで床の水気や汚れを排水口へ押し込んで片付けた。

「これが一番大事~」

 リーダーが寛貴にローションを渡す。

「上皮が最新のものに置き換わった上に脂分も全部流し取った状態だから、乳液つけておかないとすぐに乾燥してお肌ガッサガサになるよ」

「ちょ、見せてそれ」

「えーと、プロヴァンス産、ナ、ナナシタン?」

「高級品じゃん」

「使い切っていいよ」

「わあ!」

「届かないところは寛貴くんがやるんだよ」

「はい」

794 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/01(月) 00:50:01 ID:W1Z7aInn0

 まだ湿気の残る地下室の、仄暗い明りの中に仁王立ちになり、ボディーローションを自ら手に取り顔から塗り込み始める鷹美。

 髪の毛を上手にタオルでアップにし、そのタオルと股間の2つの金属栓以外、本当に素裸であった。

 寛貴は背後に立ち、手に取り分けたローションを背中に塗ろうとしてふと手を留めた。

 まるでさなぎから脱皮したての蝶のように、僅かの陰りもなく美しく輝く素肌。

 長期超拘束の中にあっても崩れないボディライン。

 熟れた大人の艶めかしさはないが、若々しく締まった素肌の張りは、ローションを塗ってもそのまま弾かれそうなほどだった。

 

 全き半球とでも形容出来そうな、垂れの無い、釣り上がった尻の双丘は、若い寛貴ですら頬擦りしてしまいたくなるほど魅力的で、そこから伸びる脚も、踵の丸みに至るまで水分を残して輝き、寛貴はこれを直接愛でられる幸せと、再び自分の思うままに包み込んで愛でられる幸せとを噛み締め、手を鷹美の背中に触れた。

「ひゃん!」

 鷹美の悲鳴を無視して、たっぷりのローションを無垢な背中に塗り拡げ、腰周りにまで塗り込む。

 役得とばかりに尻の割れ目にまで手を差し入れてつるりと動かすと指先が金属栓に触れた。

「や」

 鷹美が恥じらって腰をずらす。

「そこは自分でできるよぅ」

「ああ」

795 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/01(月) 00:50:30 ID:W1Z7aInn0

 寛貴はあれだけの事を目の前で見続けていながら、その硬質な触感に触れるまで、まるで映画のシーンを見ているような気分でいたが、指先に触れたそれは、およそ女子の柔肌の質感とは究極の対極にあるように思われた。

 

 こんなものをこいつはこれから一生嵌め続けて生きて行くのか。

 尻の穴を拡げられたまま。

 柔肉に硬い金属を咥えて。

 

 寛貴は自分のペニスに金属が刺さったままになる様子を想像した。

 自分の尻に金属筒を押し込まれる様子を想像した。

 

 『好き』だけで、『慣れ』だけで、はたしてそれを受け入れられるのか、俺は。

799 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/01(月) 13:02:55 ID:W1Z7aInn0

 リーダーが使い捨てスリッパのようなものを鷹美の前に置く。

「掴まらして」

 屈んで鷹美のふくらはぎにローションを塗っていた寛貴の肩に、鷹美が手を置き、足を上げて足裏にもローションを塗った。

 華奢な丸みを帯びた鷹美の足が、2カ月もの超拘束を耐え抜いた体に不釣り合いに見えたが、むしろそれが寛貴の愛情を刺激し、鷹美の足裏を見て激しく勃起してしまった。

 寛貴は今すぐにも鷹美を押し倒したくなったが、自分の立場や責任を省みて、ぐっと堪えた。

 

 空中でローションを塗り込んだ足をスリッパに差し入れ、今度は反対の足を持ち上げた。

 同様にローションをたっぷり塗り込み、左右ともスリッパで立つと、鷹美は髪の毛のタオルを解いた。

 

「あーーーーーっ! サッパリしたあ!」

 明るく笑う。

 

「鷹美ちゃんの復帰の準備にはまだ2,3日かかるんだけど、寛貴くんは今後どうしたいと思ってるの?」

「以前の生活の通り、ってわけにはいかないですよね」

「そりゃ無理だ。どんだけエライ人揃ってても、全くのリジュームってのは無理だよね。寛貴くんの我儘で生活が壊れてしまった鷹美ちゃんのご両親のこととかがあるわけだから。幸い妹さんがいるから少し紛れてるけどね、そういう問題じゃないよね」

「はい、わかってます」

「そうそう、最近どっかから手紙来なかった?」

「いえ、別に」

「ピンクの封筒で……」

「そんなんで手紙よこす友達いないッすよ。……あ、いや、友達じゃない、そうそう、全寮制の『洽則』って名門校からなぜだか編入のお誘いが来ましたよ。都市伝説まがいなんで、悪い冗談だと思ったんですけど。 ……って、なんでそんなこと知ってるんです?」

「フフフ、鷹美ちゃんちにも行ってるはずなんだ」

「ええ?! どうして?」

800 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/01(月) 13:03:37 ID:W1Z7aInn0

「一応こちらで準備してる段取り話しておくけど、その通りにするもしないも二人の自由だから、あ、鷹美ちゃんこれに座っていいよ」

 リーダーが金属パイプ製で座面がU字便座のような形をした折り畳み椅子を持って来た。

「なんでU字なのかわかるよね」

「あ、はい」

 新しいタオルを羽織り、全裸にスリッパのまま椅子に座る鷹美。

 

「ええと、鷹美ちゃんは事件に巻き込まれて入院してることになってるって話したよね。警察関係の手続きは全部終わってて、犯人は別の事件で逃走に失敗して自動車事故で死んだことになってる。ご両親は経緯を全て知ってて、あとは鷹美ちゃんが回復すれば万事丸く収まるという状況までは作ったのよ。鷹美ちゃんのダミー人形は全身をギプスで固められて入院してる状態だから、両親の前でギプスから本人を取り出せばOK。本来はそんないきなり全身取り出すなんてバカなことあるわけないんだけど、関係者が全員ギプス未経験だったら、どうせわかりゃしないんだから、もうなんでもアリでしょ」

「うわぁ」

「3日後にご両親がウチの病院に来て立ち会う予定なんで、それに合わせて鷹美ちゃんをダミーとすり替えるわけ」

「ひいい! 今度はギプス詰め?!」

「アハハ、ざんねん、取り出す瞬間を見せるわけじゃないんで、そのまま別室待機で大丈夫」

「なーんだ」

「うわぁ鷹美『なんだ』言った」

「あ!」

 鷹美は真っ赤になった。

「いや、巻いてもいいけど、またお肌荒れるよ。別なチャンスに寛貴くんにやってもらいなよ」

「は、はい……」

801 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/01(月) 13:04:13 ID:W1Z7aInn0

 レスラーマスクの目穴から覗くリーダーの目がニヤリと歪んだ。

「で、全寮制の学校、興味ない?」

「ええっ!? いきなりどういう意味です?」

「だーかーらー、君らみたいなコトしたい人たちって、君らだけじゃ無いってコト」

「フツーに学校生活送って、時々そんなこともできて、周りに仲間がいて…… みたいの楽しくない? もちろん、そゆヒトは全校生徒のごく一部だけど、設備面やサポートは万全だよ? 9割のコは名門だと信じて入学して、何も知らずに卒業するけど、1割のコは真の姿を知ってるってわけ」

「ちょ、エエエエーーーーーッ!!! あの学校ってそういうところだったんですか? だって、スケートや野球でも有名で、国立進学率常に上位の、しかも戦前からずっとある名門じゃないですかぁ!」

「戦前だろうと戦後だろうと、似た趣味の人たちって居るってもう知ってるでしょ? ずっとずっと前にお金も力もあった人が『やっちゃった』わけよ」

「うわあぁぁぁ……」

「趣味の時間以外勉強してるから、そら進学率上位にもなるよね。成績を責めのネタにつかうこともしょっちゅうだよ」

「ひいいい!」

 

「で、鷹美ちゃんが一度両親の所に戻ってから、落ち着いたら2人で転校しちゃえば? って」

「ちょ、ま、話が急すぎて……」

「ああ、まずは話だけ。まだ考える時間あるから」

「はぁ……」

「せんちゅりおんカードじゃないけど、あそこからピンクの封筒来るってなかなか無いよ」

「そら知ってますよ! でも今の今まで都市伝説だと思ってたんスから。 ところで、俺と鷹美同時だと、話が出来すぎに見えませんか?」

「別にいいんじゃない? なんかの外部模試の成績で目に留ったのかもって言っとけば」

「はぁ……」

803 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/01(月) 13:12:07 ID:W1Z7aInn0

「しかしなぁ、洽則がそんなとこだとはなぁ」

「『私立洽則(こうそく)学園』でいいんだっけ? 友達のお兄さんがあそこ出てそのまま東大行ったよ」

「洽覧深識(こうらんしんしき)にして則天去私(そくてんきょし)。見聞が広く博識にして、私にとらわれず天地自然に身をゆだねて生きる。っていうのが校名の由来だよ」

「うわ、良く知ってますね」

「そら母校だし」

「ぎゃーー!!」

「それに、理事長も学長も、こないだ鷹美ちゃんをウレタンから出すときに手伝ってくれてたじゃない」

「ッぎゃーーーッ!! し、知りませんよそんなこと! 全員マスク被ってるじゃないですかぁ」

「ちょ、まじですか?」

「まじまじ。行くか行かないかはもちろん君らの意思だけど、お二人はワクテカで待ってるみたいよ」

「なんかスゲーことになってきたな」

「ッくしゅん!」

「あ、鷹美ちゃん、何か着ないとね。ジャージでいい?」

「いきなり着るものの落差すごくないですか?」

「あ、いやいや、これには重要な見極めが含まれてるのよ」

「へ?」

「ま、あとで説明するから。 下着なしだけどいよね」

「はあ、まあ、ここにずっと居るわけですから」

「寛貴くんは今日はここまでだ。行こう」

「はい。じゃな、鷹美」

「うん」

 今日はキスはしなかった。

808 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/01(月) 22:13:37 ID:Sb6hp6iH0

 一人地下室に残った鷹美は、与えられたジャージを着込み、椅子に座ってぼんやりしていた。

 超拘束生活で、じっと待つことは何ら苦ではなくなったため、ちょっとおなか減ったな、とか、今晩はどうやって眠るのかなとかを考えていた。

 だが、そういった日常のこととは別に、鷹美の心に急速に穴が明き始めた。

 

 つまんない。

 

 なんで?

 フツーに楽な生活になって、さらにこれから以前の暮らしに近い所まで戻れそうだと言うのに。

 

 ……ジャージが原因かしら?

 あと数日のここでの生活も、絶対ボンデージとかブーツとか首輪とかだと思ってた。

 寛貴も見たがるだろうし、自分自身のモノとしての経験も立場も否定されずに済むような気がした。

 リーダーだって言ってた。

 永久に嵌められたお尻の栓や尿道の栓が、いつも寛貴のモノだって気持ちにさせてくれるって。

 だからこんな何着てもいい環境だったら、もっとおしつけがましい衣装を着せてくれてもよかったのに。

 羞恥には慣れてないから、それで外出とか死んでも嫌だけど、ここでジャージなんて勿体ない……

 

 自然と手が股間に伸び、指先が尿道の栓を通り越してその下の何も入っていない穴に沈む。

「んっ……」

 ここに2カ月も硬質の棒が挿入されっぱなしだったなんて信じられない。

 内側を指でなぞっても、ガバガバに拡がってしまった感じは微塵もせず、むしろまだ硬い位に思えた。

 考えてみれば、入口はすぼまった型のディルドーだったので、奥はあるいは拡がってしまっているのかもしれない。

 肉体改造された気分に、一瞬ゾクリとした。

811 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/02(火) 01:14:57 ID:SZKoyS4/0

 急速に壺に蜜が溢れ、それを指先にまぶして、敏感な突起へと指を引き戻した。

 付け根を長期拘束されていたクリトリスは、完全に包皮から独立した存在になってしまっていて、委縮した時に包皮を被せれば元通り隠れるが、一旦勃起するとまるでミニペニスとでも言えそうなほどはっきりとした棒状の形になる。

 これはもう完全に改造されてしまったように思われた。

 

 ジャージのズボンの前を太腿まで下げて、割れ目部分を露出させる。

 包皮の下から遠慮がちに覗いていたモノは、いまや割れ目から真っ赤に飛び出て、存在を誇示している。

「ああ……」

 鷹美の舌がレロレロと口腔内を虚しくかきむしる。

 自分のクリトリスを舐めたくなった。

 フフフ、私が舐めたらスゴイコトになる自信はあるよ。

 って。

 なんだかもうわけがわからない。

 粘液まみれの指でしごく。

「ガッ!!」

 椅子からひっくり返りそうにのけぞる。

 指でクリを刺激しながら、口で自分の指をしゃぶる。

 ああっ、舌がきもちいい!

 クリもきもちいい!

 

 ピカッと頭の中が真っ白に光って、ぐったりと椅子にもたれた。

 そして周囲を見回し、ドロドロに汚れたジャージと、それを始末する手段が何も無いのに気付き、鷹美はリーダーの罠に嵌ったと知った。

815 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/02(火) 21:00:55 ID:ybgxI0ZY0

「ただいまー」

「キャーーーッ!! してません!あたし、何もしてません!!」

「あ、いや、地下室に入った瞬間の匂いでもうバレバレ。どうすればこんなに雌臭くなるのよ」

「嫌あああ!!」

 鷹美は真っ赤になってジャージを戻した。

「あーあー、指もベトベトじゃない」

「ごっ、ごめんなさい! あたし、勝手に……!」

「別に寛貴くんがダメって言ってないからいいんじゃない? それよりまあ、正直な反応で助かったよ」

「は?」

「正直、社会復帰したあと、毎日こんなだとヤバイと思うでしょ」

「確かに……」

 鷹美はゾッとした。

「今までみたく、毎日寛貴くんとできるとは限らないんだよ」

「そ、そうですよね」

「自分で勝手にいじるの、防止したい?」

「したいです! できるんですか?」

「うん、ウレタン漬けの時は革パンツだったでしょ? あれの金属バージョンがあるよ」

「金属って…… 痛くないんですか?」

「蝶番がいっぱい付いてて、内側には緩衝材が貼ってあって、ちゃんとフィットするよ」

「洋服着る時も着けてられるんですか?」

「シルエットはビキニ水着にも隠れるくらいだから、絶対大丈夫。触られればもちろんヘンだってバレるけどね」

「それ、お願いします」

「ていうか、もうあるんだ、ほら」

「え?」

820 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/02(火) 22:29:42 ID:ybgxI0ZY0

 リーダーの手にはくたくたになった金属の塊が握られていた。

「……全部読まれてるんですね……」

「読むっていうより、もう何人も同じような子に接してるからね。だいたいわかるよ」

「はあぁぁ……さすがです。 ……じゃ、お願いします」

 鷹美は椅子から立ち、ドロドロのジャージを脱ぎ捨てた。

 リーダーは濡れた股間を拭いもせず、鷹美の腰回りに曲面デザインされた金属製の腰ベルトを回すと正面で合わせ、尻の方に垂れ下がった股間ベルトの穴に、尻の栓と尿道の栓の位置を合わせながら、それも正面で合わせた。

 3方からのベルトを一か所に集めた上から錠前を被せ、カチリとロックした。

 股間は幅広に膨らんでおり、クリトリスやラビアが収まる余裕があり、鷹美はもう自分自身では膣にもクリトリスにも一切触れることはできなくなった。

「ああ…… すごい、ぴったり」

「ちょっと屈んだり立ったりしてみて」

 鷹美はその場で屈伸運動をした。

「平気です。ちょっと重いけど、普通の水着みたいですね。圧迫感があって」

「でしょ? じゃ、ジャージ着て、夕飯もってくるから。今日はラーメンね」

 鷹美はボロボロ泣き始めた。

「うわーん!」

「ど、どうしたの!? 何が嫌?」

「違うんです、なんだか普通に戻れたみたいで」

「あはは、そうだね」

 そう言って笑うと、リーダーは折りたたみのテーブルを出し、少し時間を掛けてからラーメンを持ってきた。

824 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/03(水) 01:35:24 ID:d/cHyLEv0

 やけども気にせず、貪るようにラーメンをすする鷹美。

 汁まで一気に飲み干した。

 その間に、前の物よりは幾分きれいなマットが床に敷かれた。

「毛布も何も無いんだけど、いいよね」

「はい」

 食後しばらくボーっとマットの上に座っていた鷹美だが、やがて横になって眠ってしまった。

 

 

 朝になったらしく、リーダーが起しに来た。

「おはよう。今日は少し体を慣らすよ。別のビルの地下で他の子調教してるんだけど、それを少し手伝ってよ」

「あ、はい……」

 実に2カ月以上ぶりに鷹美は地下室を出た。

「金属ぱんつは慣れた?」

「今のところ激しい動きが無いのでなんとか」

「それは良かった」

 車庫まで階段を上がって、寛貴が毎日通っているワゴン車に乗り込んだ。

「はいマスク」

 一見してパーティグッズとわかる、ゴリラだかチンパンジーだかのマスクを渡された。

「向こうに着いたら被って」

「はぁ」

 鷹美は髪の毛のこともあるので試しに被ってみたらガバガバで、目の穴の位置が合わない。

「うわ、ぜんぜんダメだこれ」

「アハハ、別にそれ被って調教しろってんじゃないから我慢してよ」

 リーダーは車庫のシャッターをリモコンで開け、車を発進させた。

827 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/03(水) 10:24:20 ID:d/cHyLEv0

 1BOXのワゴンで、後部座席は窓にフィルムが貼ってあるので、外から鷹美の姿は見えない。

 鷹美にとっては道往く人や横断歩道や信号の点滅などが、なにもかも皆なつかしかった。

 鷹美も知ってる通りを何本か通り、鷹美のいたビルからさして遠くないところにあるビルに車が入った。

 ビルの構造は似ていて、リモコンシャッターのある1F駐車場、そこから続く階段で地下室へ下りるようになっていた。

 

「ンーー! ンーーーー!! ゴクッ!ゴホッ!!」

 いきなり凄惨な悲鳴が鷹美の耳に飛び込んで来た。

 似たような構造の地下室の中央に、全身革でギチギチに固められ、四つん這いで犬の恰好をさせられた女の子?が居た。

 手足は折り畳むように革の拘束具に包まれ、肘と膝で歩かされていた。

 肘や膝の先は高さを調整するための革製のクッションのような物が取り付けられ、擬似的に獣の脚ににせてあったが、とてもまともに移動できる様子ではなかった。

 革製の耳やシッポが付けられていて、口には奇妙な漏斗が取り付けられていた。

 

「この子、ちょっとハード系入ってるから、鷹美ちゃんびっくりしちゃうかもね。あ、いや、鷹美ちゃんも充分ハードだよ? 仮にこの子にウレタンやらしたら、一晩で発狂だろうね。要はタイプが違うってこと」

 奇妙な漏斗は、顔を戒めるように縦横に締め込まれたハーネスに取り付けられていて、漏斗の開口部が額の辺りに、そして注ぎ口は曲がったパイプで口枷へと導かれていた。

 額の漏斗の開口部に向かって注がれた液体は、水だろうが精液だろうが、強引に口に注がれてしまう仕掛けだ。

 そして鷹美はギョッとした。

 鼻がゴム製のプラグでみっちりと塞がれている。

 良く観察すると、漏斗の開口部から、ゴポゴポという気管支炎の人の咳のような泡の弾ける呼吸音がしている。

 この子は、注がれたものを全て飲み下さないと呼吸が出来ないのだ。

「ゴぽッ、ゴぽッ…… コホーー、コホーーー、 ……ぁぁ」

 鷹美を見て小さく『ぁぁ』と言ったのが、伝声管のように漏斗の中央から聞こえた。

829 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/04(木) 01:14:14 ID:itCXdTbt0

 周囲を囲む男たちがペニスを出している。

 寛貴以外の人のをまともに見たのは初めてだったので、鷹美は真っ赤になった。

 男たちはその姿が当然とでも言うように、下半身を剥きだしにし、自分でしごいて、濁った白い汁を漏斗の口に注いでいる。

 注がれた精液は漏斗の狭くなった底にドロリと溜まり、それがやがて筒の入り口を全部塞ぐ瞬間、吸気によってゴポリと引き込まれ、その子は激しくむせ、そしてそれを涙を流しながら嚥していた。

 四つん這いのまま拘束された肘と膝ヨタヨタと逃げ惑う子を、逃がさぬように囲みながら、今度はペットボトルの水を注ぐ。

 管の洗浄のつもりだろうか?

 その子はキュウウと瞳孔が縮み、そして猛烈にむせた。

「ゲボッ!ゲハッ!ゴプ!」

 まるで中世の拷問のように、呼吸のタイミングなどおかまいなしに水を注がれ、ただ呼吸を貪るために無理矢理嚥下し、悲鳴を上げることすらままならない。

 鷹美はウレタンの中で調教されたディープスロートの訓練を思い出し、カタカタと歯の根が合わなくなった。

 

「おしっこ飲ませてあげて」

「へっ?」

 良く知ったリーダーの、こともなげに全くタイプの違う責めに対応する態度を見て、自分が見ているのはこの人のごく一部なのだと鷹美は思った。

「さ、早く、ジャージの下脱いで」

「へ? いやぁあああ!」

832 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/04(木) 22:53:09 ID:QWN5k4Ev0

 男たちの前で脱ぐのが憚られたが、無理にずり下げられてしまった。

「脱いだら、ここで股を開いて…… 上手く狙ってあげてよ?」

 リーダーが鷹美の尿道の金属栓をあっさりと取り去る。

 解放された尿道筒は、逆さになった花瓶の如く、何の遮る物もない状態で膀胱の内容物をそのまましゃあああと放出する。

「あ・あ・あ・あ・あ・あ」

 内部に螺旋構造など付いていないただのストレートな内面を持つ尿道筒からは、周囲に飛沫を多く飛ばしながら、それでも辛うじて放物線状に暗黄色の小水がその子の漏斗に注がれた。

 その子は目を塞がれているわけではないので、飛沫に顔をしかめながらも鷹美が自分にしていることはしっかりと見ている。

 ゴリラマスクを被っているので、鷹美の顔はわからないが、自分を責めているのが女子で、股間を金属で塞がれ、金属栓で管理された排尿穴からおしっこするように改造されていることは見えているはずだ。

 鷹美にとって気が遠くなるほど長い時間をかけて、色も暗くなるほど濃厚な鷹美の溜め込んだおしっこを、鷹美の意思にかかわりなく全部漏斗に注いでしまった。

 

「ゲボ、ゲハ、……カハッ!」

 その子は最後にカッとチューブ内の残渣を呼気で飛ばすと、ようやくコホー、コホーと漏斗越しの呼吸をした。

 鷹美はリーダーに尿道栓を戻され、ジャージは自分で戻した。

 おしっこの飛沫がかなり散ったらしく、ジャージは湿って冷たかった。

「はい、御苦労さん」

 呆然とする鷹美にリーダーが声をかけ、その場から連れ出した。

 そのまま車に乗り込み、次の場所へと向かった。

833 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/04(木) 23:05:35 ID:d3Ke69ic0

 車窓を流れる景色を呆然と見ながら、ボソリと鷹美が言った。

「あたしに場所知られちゃってもいいんですか?」

「別に。知っても何かできる?」

「そうですね……」

 バカなことを聞いたなと思いながら、また車窓の向こうの車の波を見ていた。

 

 やがてまた同じ様な構造のビルに着き、地下室へと降りた。

 そこはもう片付けの段階に入っていて、鷹美が着せられたものより若干ライト目の革製ボンデージスーツを着せられた女の子が、スタッフ達と一緒に片付けをしていた。

 全身を首まで革スーツに包まれ、顔は全部出ていて、口にはありふれたボールギャグが咬まされていた。

 

 その子はリーダーを見てにっこりし、その隣の鷹美を見てギョッとした。

 覆面のスタッフには慣れているはずなのに、背格好や、膨らんだジャージの胸、マスクの後ろから長く垂れている髪の毛などを見て鷹美が女子だとわかったからだろう。

 

 その子は少し緊張したまま作業を続け、鷹美も床掃除などを手伝った。

 ここでは別にその子に何かするということは無く、鷹美はただ他のスタッフと全く等価であった。

 

 車に乗り込み、また次の場所へ向かう。

「あたしに何をさせたいんですか?」

「だから、身体を動かして慣らすだけ。だけど普通の洋服着せてお店とか行くわけにいかないでしょ? だから仕事手伝ってもらってるの」

「おしっこ飲ませるのも?」

「ずっと出してなかったから、ちょうどいいかなって。次の所ではうしろすっきりしようね」

「後ろって…… ひ!!」

843 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/05(金) 12:53:19 ID:vWZ8yHwB0

 次の地下室は入った瞬間異臭がすごかった。

「まあ、こういうの好きってコもいるのさ」

「ひいい!!」

 部屋の中央には洋式便器が置いてあった。

 鷹美はギョッとした。

 便器の手前に胴体と手足が生えていて、それがアクリルケースに収められていた。

 ケースは中空なので、アクリル漬けになっているわけではなさそうだったが、手足には金属製の枷が嵌められ、手は脇に添えた位置で固定され、脚はやや開いた状態で固定されていた。

 尻の下には暗い大きな穴が明いていて、排水口のようになっていて底が見えない。

 その胴体は鷹美の見ている目の前で、股間の割れ目からぴゅるるとぞんざいにおしっこした。

 便器を被らされた女体を前に、鷹美は再び自分がまさに調教のための小道具にされることを確信した。

 

「これからずっとこの栓と付き合うんだから、自分で構造覚えていてよね。今ついてるタイプの栓は、鍵なし、浣腸穴ありのタイプ」

 リーダーは150ccの使い捨て浣腸を取り出し、呆然とする鷹美に見せた。

「ひ!」

 ジャージをずり下げ、それを躊躇なく鷹美のアナル金属栓へ刺し、全量を一気に注入した。

「ひいいいいいいいい!!」

 急激に腹が冷え、鷹美は慌てた。

「限界が来たら、出していいよ。目の前にあるでしょ?」

「そ、そんな!」

 いくら調教とはいえそれが何を意味するかはっきりと分かる。

 鷹美は恐ろしさに震えたが、ウレタンから出されて以来全く出していない硬い便に浣腸液が染みわたり、とても耐えきれるものではないと直感した。

844 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/05(金) 12:57:25 ID:vWZ8yHwB0

 ウレタンの中では日常のルティーンとして浣腸と排泄我慢というのはあったが、それはあくまでも洗浄が目的であって、鷹美を不必要に苦しめるためではなかった。

 しかし、今は違う。

 リーダーの言葉通りならば、このまますんなり排泄してしまえば済むし、リーダーもそのつもりの様子だ。

 そろそろ鷹美排泄→どうせ出すなら外に出たついで→巡回先に手ごろな場所→ウマーと、リーダーにとっては日常の調教作業、まさにその程度のことだったのかもしれない。

 

 しかし自分がそういった行為を行うことに慣れない鷹美には激しい抵抗感があった。

「かッ…… かはッ……!」

 下半身のジャージが膝までずり下がったちょっと間抜けな格好のまま、尻を押さえ、内股になってガクガクと震える鷹美。

 ―― ギュゴゴゴゴゴ!!! ――

 凄い音がして、鷹美は一時的に楽になった。

 浣腸の時に出る音は、実は苦痛を表す音ではなく、圧が逃げて腸内を気体が巡る音。

 本当に苦しいのは、無音でどんどんガス圧が高まる時なのだ。

 轟音の後、再び高まる圧への恐怖が鷹美を襲う。

 漏れる心配だけは無いが、それはやがてガス圧が臨界を超え、自分の腸が破裂してしまうかもしれないという恐怖へと変わる。

 

「えーと、鷹美ちゃん? ここの人はそーゆーヒトだから、普通に出してOKなんだけど?」

「ひぎいいい!!」

 リーダーは戸惑ったような、それでいて何かを得たような顔をして笑った。

 しかし鷹美にはもうリーダーの言葉を素直に理解する余裕すらない。

 ―― ギュゴゴゴゴゴ!!! ――

「我慢するのは鷹美ちゃんの勝手だけど、こういうのが御褒美になる人もいるって知っておいた方がいいよ」

「ひいい!」

「ほら、ジャージ脱いで。 栓、外すよ? 外し方、自分で覚えておいてね」

 鷹美の肩を抱いてアクリルボックスの上に乗せ、やんわり肩を押して便座に座らせる。

 便座の中は直接人間の顔が覗いているわけではなかったが、いかにもそのまま口腔へ接続されていそうな変わった穴の位置だった。

 良く観察することはできなかったが、奥で舌が動いたようにも見えた。

「いや! いやああああああああっ!!」

846 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/05(金) 13:07:55 ID:vWZ8yHwB0

 事務的にリーダーが栓を外し、鷹美は全く抵抗すら出来ず、ただ悲鳴を上げて身を強張らせた。

 最初はバシャッと液がこぼれ、一瞬の間があった。

 やがて器具によって全開にされたままの尻の穴から、まさにねりからしでも絞り出すようににゅるにゅると出た。

 消化した食材の区切れ目でポトリと切れ、そのまま次が押し出されて来る。

 内部にガス圧が残っているうちは鷹美の意思や腹の調子など全くおかまいなしだ。

「やああああああ!! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」

 異臭が立ち込め、鷹美は泣きじゃくった。

 鷹美は大した食事も摂っていないので、全量はそんなに多くなかった。

 やがてブピブピとガス音が響き、溶けた軟便が力なく滴った。

 

 しばらくすると腸の反応も終り、何の液も垂れなくなった。

 リーダーは霧吹きのようなもので鷹美の尻の穴に水を掛け、ウエットティッシュで内筒を拭うと、ティッシュは手に持ったビニールに入れた。

 リーダーは立ち上がった鷹美にの尻に栓を戻し、便座の蓋をする。

「ちょ、あ、あのままなんですか? 水とか……」

「まあね。 一応自動メンテナンスもついてるから」

 スタスタと立ち去ろうとするリーダーに鷹美がジャージを戻しながら走り寄る。

「そんな……」

「鷹美ちゃんのウレタン漬けが君の日常なら、あれが彼女の日常。ただ、ああいうのはマジで毒だから、そんなに長期間できないけどね。あれで2日目だよ。そして多分、今晩で終り」

 鷹美は少しほっとしたが、自分の排泄物が長時間そのままになっているのは嫌だった。

 

 このような感じであと3件ほど回ったが、単なるスタッフの手伝いで、もう鷹美が材料になることは無かった。

 リーダーにとっては本当にたまたま鷹美の状況を利用しただけのようだった。

850 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/06(土) 10:18:46 ID:Z8tqT10c0

 夕方になり、最後に鷹美の良く知っている辺りに車が近付いた。自宅の近くだった。

 そこを少し通り過ぎた、廃ビルのように見える古いビルの車寄せに人が立っていた。

 車が着くと、その人物は鷹美が座っているのと反対側のドアを開けて乗り込んできた。

 鷹美は激しく緊張した、が……

「あ、ひろきい!」

「なにしてんの!? お前」

「んーと、お手伝い?」

「もう出歩けるんだ、よかったな」

「うん!」

 

 車内で二人は軽いキスをした。

「あ、ヤバッ! あんまり調子に乗れないんだった。ヘンな気分になると大変」

「なんで?」

「だって、ほら」

 鷹美はジャージを捲って寛貴に見せた。

「なんだよ、それ。 貞操帯?」

「金属ぱんつだって。カギついてんだよ」

「バカ、そりゃずばり貞操帯だろ」

「アハハハハ」

 運転席からリーダーが笑った。

851 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/06(土) 10:26:58 ID:Z8tqT10c0

「鷹美ちゃん、はい、カギ」

 運転しながら鍵を握った手を後ろに伸ばす。

 鷹美はネックレスチェーンに通された鍵を受け取った。

「いいんですか?」

「なぜ鷹美ちゃんに渡したか、わかるよね?」

「えっ? ……えーと、えーと、あ!」

 

 鷹美はいきなり真っ赤になって鍵を握り締め、チロッと寛貴の方を見た。

「まともに口にするの恥ずかしいよォ!」

「なっ、何だよ急に」

 鷹美はますます赤くなって口が回らなくなる。

「はいっ! ああああたしのおま○このカギっ! あげるっ!」

 握った鍵をゲンコツごと寛貴に突き出す。

 隣のシートに頭を向けながら、俯(うつむ)いてガクガク震える。

「あふぅ……あ、あたしっ、ほんとに、ほんとにマゾに調教されちゃったぁ!」

 同じ姿勢のまま鷹美の口からはトロリとよだれが垂れた。

「ああっ…… 自分の自由を差し出すのが気持ちいいのぉッ! ドキドキすんのッ!」

 そして徐に顔を上げた。

「こんなんなっちゃったの寛貴のせいだかんね! ちゃんと管理してよね!」

 寛貴は矢継ぎ早に口走る鷹美の取り乱した様子に一瞬驚いたが、ワゴン車の後部座席の暗がりでも鷹美が微笑みながら涙を浮かべているのが見て取れ、愛しさで胸が一杯になった。

 ゴクリと唾を呑んでから、無言で鷹美から鍵を受け取った。

「チェーン付いてるから首から下げておきなよ」

 鷹美たちのやり取りに満足したリーダーが運転席から声を掛けた。

「はい」

853 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/07(日) 01:45:49 ID:TH1chUkO0

 いつもの地下室に戻ると、鷹美はもう待ち切れない様子だった。

「こんどは寛貴くんの番だよ、わかってるよね?」

 リーダーは今度は寛貴にクギを刺した。

「え? ……あっ!」

 寛貴は危うく鷹美の勢いに流されるところだったが、リーダーの言葉で我に返った。

 

 鷹美は血走った目つきでマットに乗り、いそいそとジャージを脱いだ。

「ハァハァ、ひろきぃ、はやくぅ」

「鷹美ちゃん、ここラブホじゃないんだけど」

 リーダーはマスクしたまま苦笑いしている。

「鷹美」

「はーい!?」

「今日は無しだ」

「あ、はーい。 ……って、いやああああああああああああああ!!」

 鷹美は真剣に顔面蒼白になった。

「そんな! ひどい!」

「それが気持ちいいんだろ?」

「あ! あぁ……」

 鷹美は歪んだ笑みを浮かべ、ガクガクと震えだした。

「あっ………ああ………あああああ」

「裸になって、後ろ手にして、自分の手首を自分の手で握るんだ。その姿で奉仕してくれ」

「あぅあ………はい………ご主人様……」

 鷹美はジャージの上も脱ぐと、貞操帯だけの全裸になって、寛貴の前にひざまずいた。

 自ら手を後ろ手にすると、別段手錠を掛けられたわけでもないのに、鷹美は急に裸の胸が恥ずかしく感じた。

855 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/08(月) 09:59:13 ID:vyzY8n9I0

 鷹美の頭に、超拘束から解放された慌ただしさで忘れていた、この一連の調教の本質が再び甦った。

 寛貴の思う通りの所有物になること。

 モノになること。

 もう普通の女の子の快感は捨てて、教え込まれた代用快感で気持ち良くなること。

 そうだった……

 こうして寛貴を迎え入れる姿となり、口を半開きにして舌を動かすと、何日もそうして過ごしたマシーンとしての日々が蘇る。

 動ける生身の身体に戻っても、心はそのままでなければ調教の意味が無い。

 

 寛貴が自分のモノを取り出す。

 それを口だけで口腔内に導き入れ、やや柔らかいそれを舌でしごく。

 とたんにそれは頬を突き破るほどに怒張する。

 

 鷹美は寛貴を見上げた。

 視線は柔らかいが、そこに支配者初心者としての遠慮や躊躇は微塵も感じられず、ただそうなって欲しいと望んだ者の目があった。

 鷹美は満たされ、舌の動きに最大限の愛情を注ぐ。

 そして寛貴を高めるうち、自分も昂ってくる。

 奉仕の快感に全身が満たされる。

 吸う・しごく・飲み込む・絞る。

 そして寛貴の射精。

 熱い迸(ほとばし)りを嚥下する。

 

 寛貴も鷹美も、そしてリーダーも満足した。

856 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/08(月) 11:23:34 ID:vyzY8n9I0

 こんな生活を2日ほど続け、ついに復帰の日となった。

 鷹美にはシンプルなワンピースが与えられ、2ヶ月ぶりの普通の格好となった。

 寛貴は付き添うことはできず自宅で待機だ。

 

 夜遅くいつものワンボックスワゴンで出発し、高速道路をひた走る。

 空が白みはじめたころ、田んぼの中にポツンと建つ白亜の大病院に到着した。

 リーダーの運転する車は、駐車場の脇にある奥まった車庫へと入った。

 リーダーが運転席を降りて、後部座席のドアを開け、鷹美を誘導した。

「さ、鷹美ちゃん、こっちへ来て。あとはスタッフの指示に従ってね」

「はい…… あ!!」

 鷹美はリーダーが素顔なのに気付いてぎょっとした。

 運転する時は確かにいつも素顔だったが、決して真後ろを振り向くことはなく、時折チラっと見える横顔では正確な人相など把握できなかった。

 そしてビルの駐車場に入るとすぐにマスクを着けてしまい、あとはずっとそのレスラーマスクの姿しか見せなかったから。

「あとでね」

 鷹美は引き渡された病院スタッフに言われるままに入院着に着替え、ストレッチャーに寝た。

 看護師の一人が話しかける。

「ご両親は時々見えているので、絶対に『なつかしい』とか『ひさしぶり』のような言い方をしないで下さい。ずっと筆談で

ごまかしてましたから、『やっと口で会話できる』という主旨の第一声がいいでしょうね」

「はい」

857 : 鷹美 ◆iIo5f1RC12 [sage] 2010/02/08(月) 11:27:40 ID:vyzY8n9I0

 ストレッチャーで運ばれた病室には、両親と数名の看護師と、そして白衣を着たリーダーが立っていた。

「ここまできれいに治った方は本当に少ないんですよ。もう奇跡としか言いようがありませんね」

 いけしゃあしゃあと勝手なことを言って笑った。

 久々の肉親との再会で鷹美は激しく泣いたが、心はもう早くこの手続きを通り越して寛貴と一緒の学校生活を送りたいという方向へ向いていた。

 わざわざ車で移動した長い道のりを、今度は自宅の車で戻ってくる。

 両親には悪いが、鷹美は疲れたと言ってずっと眠っていた。

 

 もう一度日常に戻れたことが嬉しくないと言えばうそになる。

 しかしもう鷹美の頭の中では刺激の無い日常は霞がかかったように遠くの存在となり、拘束されて暮らす異常な日常が主となっていた。

 それは一時的な恋愛感情のように、時とともに薄れてしまうのかもしれない。

 たまたま置かれた異常な状況に、脳のどこかの回路が焼き切れて、絶叫したい気持ちを封印しているだけかもしれない。

 しかし、自分が拘束され、固められ、埋められたあの瞬間を思い出すと、日常を可能な限り普通にこなし、両親に心配かけないようにしつつも、常にその世界をと関わり続けて行きたいと思うのだった。


http://set.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1238672896/
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1265965419/
関連記事
ページトップ
アクセスランキング ブログパーツ